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働きながら大学の通信課程で学芸員資格を取得してよかった

3年前に、大学の通信課程で学芸員の資格を取得しました。私は博物館に勤める38歳の女性です。

以前はプラネタリウムの解説員として10年間働いていましたが、3年前に契約期間終了のため退職、前からお知り合いだった学芸員さんに呼ばれ、博物館の企画普及業務に携わることになりました。

この博物館での企画普及業務は、博物館の運営に関すること全て、詳しく言うと企画展の運営、ワークショップや博物館講座の実施、プラネタリウムや科学実験ショーなどの演示、それに付随する山ほどの事務作業が含まれます。

この博物館では学芸員資格が必須だったのですが、プラネタリウム業務の経験があるために特例として採用していただき、天職とも言えるこの仕事を続けることができました。

しかしやはり、博物館に勤務する以上は、学芸員の資格を持っていた方が良いだろうと思い、大学の通信課程にて資格を取得することにしました。

取得の流れとしては、まず単位ごとにレポートを2つ提出し、両方とも合格したら試験を受ける資格が得られます。

その試験に合格すると単位がもらえ、必要な単位が全て取れれば、無事資格取得となります。非常にシンプルなシステムですが、やってみると大変なことが多くありました。

何しろフルタイムで仕事をしていますから、レポート作成や試験勉強に割く時間があまりありません。私の場合は、レポートは夜に、試験勉強は朝起きてするのが一番効率が良かったようです。

家にいると気が散るので早めに出勤し、会議室でこっそり試験勉強をしていました。誰もいない静かな部屋で学習でき、内容が良く頭に入りました。試験は月に1回、受けられる資格のある単位を選択して受験します。

手のひら芸大で学芸員を取得した口コミはこちら。

東京なら毎月都内で受験できるのですが、私は地方に住んでいるので、月によっては他県に受験しに行かなくてはならず、早朝から車を走らせ、高速を通って試験会場に向かったこともあります。

試験は土日におこなわれますが、博物館は土日がいわゆる「かき入れ時」なので、休みを取るのが申し訳なかったです。

しかし上司も同僚も、資格取得の為ならと、快く休みを取らせてくださいました。

最終的には5回、10科目以上の試験を受けましたが、どれも良い成績で合格することができ、ご恩に報いることができたとほっとしています。

更に、周りに本職の学芸員が多かったため、学芸員にインタビューをするレポートなどは業務中にさせて頂き、とても助かりました。

このように職場の雰囲気はとても良く、資格取得の為に皆がバックアップしてくださって、楽しく安心して勉学に取り組むことができました。

学芸員の資格取得のハイライトはやはり博物館実習でしょう。

他の大学では自分で希望する館にアポイントメントを取らなくてはならないのですが、私の大学は学内に博物館があり、そこで実習を受けることができました。

実習内容も本格的で、土器の梱包や古文書の修復、実際の美術品や照明を使った展示法の勉強など、とても充実していました。

私の2回目の大学生活は1年であっという間に終わりました。

入学料、授業料、実習参加料、実習に伴う旅費、滞在費、試験を受けに行くための交通費などを合わせると、30万円ほどかかったかと思います。

しかし、得たものはそれ以上の価値がありました。学芸員は国家資格であり、博物館、美術館業務に従事する者には必須の資格です。

多くの館が学芸員資格必須、もしくは優遇とあり、資格手当のある館もあります。

あれほどお世話になった今の職場ですが、学芸員資格を取得しても給料は増えず、交通費や賞与もないこと、また、雑務が多すぎて本来私が専門としているプラネタリウムの業務にあまり時間を割けないことから、この資格を活かして転職したいと考えています。

その時に、学芸員資格が生きてくると思います。

今働いている博物館にも、毎年夏になると博物館実習を受ける実習生が来ます。

彼ら彼女らに学芸員を目指しているのか聞くと、ほとんどの人がNoと答えます。

大体、せっかくだから取れるものは取っておこうという感じです。しかし、むしろその方が良いと思います。

学芸員資格を取っても、本当に学芸員として働ける人はごくわずか、公務員や正職員として働ける人はその中の更に一部です。私自身も、契約社員として働いています。

学芸員は国家資格でありながら、ワーキングプアへの道を開く片道切符とも言えるかも知れません。博物館や美術館で働いている、と言うと「楽しそう」「好きなことができていいね」と言われることが多いかと思います。

しかし実際は、待遇は悪く、雑務は多く、責任の重い大変な仕事です。

資格を取っただけで学芸員になれるわけではありません。

まず、自分が希望する学問をおこなっている館に就職しないといけませんし、そこからいかに経験を積み、更なる高みに上っていくと言うのが学芸員には求められます。

本当に努力すれば、昇格やキャリアアップにより、自分自身の生活を豊かにすることも可能だと思います。

これから本気で学芸員を目指し、資格を取得しようとしている若い学生さんたちには、資格取得がゴールではないことを心に留めていてほしいです。

そしてとにかく自分が楽しめて、自分が誇りに思える仕事をしてほしい。

大変でも腐らず、妥協せず、自分自身のゴールを目指してほしいと思います。

スクーリングなし!通信制大学ガイド(学芸員)